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飲食店の経費・経理|独立するまでに最低限理解しておくべきこと(初心者向け)

飲食店の経費・経理|独立するまでに最低限理解しておくべきこと(初心者向け)

この記事のざっくり概要

事業計画書は予想売上と予想経費との対比でしっかりと利益が確保されていることが重点課題となりますので、「飲食店の創業で注意しておくべき飲食店の経費・経理」についてご紹介させていただきます。

目次|この記事に書いてあること

飲食店の独立・開業前に知っておくべき経費の話

事業計画書は予想売上と予想経費との対比でしっかりと利益が確保されていることが重点課題となりますので、「飲食店の創業で注意しておくべき飲食店の経費」についてご紹介させていただきます。

飲食店の経費と一言で言っても、さまざまな経費がありますので、その中でも注意が必要な項目を重点的に解説させて頂くとともに、予想経費として盛り込むべきところ漏れやすい経費についてもお伝えしたいと思います。

飲食店の原価率

原価率とは、食材等の仕入金額が売上に占める割合を言います。

会計的に利益の最大化を考えると原価率は低いに越したことはありませんが、提供商品の魅力が失われ顧客離れを起こしてしまっては意味がありません。

原価率をどのくらいに設定するかは設定したお店のコンセプトに関わる部分です。

事業計画書の作成にあたっては、自身の思い描くお店作りにあった原価率を設定してください。

飲食店のFL比率

飲食店にとって、原価と同様に大きな比重を占める経費が人件費です。飲食店独特の数値管理の指標にFL比率というものがあります。

このFL比率は、飲食店で特に経費として大きい原材料(food)と人件費(labor)の合計が売上高に占める割合をいいます。

50%~60%が理想値とされ、例えば上記の原価率が30%の場合は、人件費を20%~30%までにしなければいけないことになります。

事業計画書の作成段階では、この比率を意識して作成して頂くことになりますが、例えばこの比率を70%超えでシミュレーションを組むと、残りの30%弱で他の経費が賄えず余り利益が残らないか、若しくは赤字になってしまいます。

社会保険は人件費に含まれます。社会保険に加入する必要があるかどうかは、個人事業と法人事業で異なり、また勤務時間数によっても加入の要否が異なります。

飲食店の賃借料(お店の家賃)

飲食店で三つ目に大きな経費になることが多いのが賃料です。

賃料は繁華街か郊外かといった立地や床面積によって大きく差があるものですが、目安として売上高の10%までの負担とすることが理想とされています。

家賃の10倍以上の売上が上げられる立地と床面積で営業をすべき、といった視点で物件選びをすることも飲食店の経営には求められる視点です。

また一度出店すると簡単に変えられないのがこの立地や物件で、店舗の売上と利益を左右する非常に大きな要素になります。

飲食店の水道光熱費

水道光熱費はどの業種にもかかってくる経費ですが、飲食店の場合は売り上げの7~8%程度の負担になることが多いようです。

もちろん季節変動もありますし、うどん店やラーメン店を出店する場合は、さらに多くの水を使う必要があることからもう少し比率は上がることに注意が必要です。

飲食店の減価償却費

飲食店の物件が自己所有の場合や賃借した物件に内装設備を施した場合には、当初に負担した投資額を減価償却という形で経費にする必要があります。

また、空調設備や一定額以上の厨房機器も一度の経費にすることはできず、同様に減価償却の対象となります。

減価償却費は経費ですが、キャッシュフローが痛むものではありませんので、減価償却費の範囲内で借入返済をするのが理想です。

借入返済は経費とならないからです。

飲食店の広告宣伝費

出店にあたっての広報活動は周知を早めるための大切な活動です。どのような媒体で行うのか、頻度はどうするのか等々策を練る必要があります。

グルメサイトへの掲載やチラシの作成にかかる費用は勿論のこと、ホームページを作る場合にはその作成費用やランニングコストも事業計画に加味する必要があります。

その後の管理費用も定額で発生することが想定されます。SNSは余り費用が掛かるものではありませんが、現代社会では欠かせない広報ツールです。

飲食店の求人費

求人広告の費用です。

飲食店の営業時間は様々なパターンがありますが、現在の人手不足の状況下ではアルバイトを募集してもなかなかいい人に来てもらえない状況が続いています。

一人若しくは夫婦で営業を考えられている場合はいいのですが、一定規模以上での営業を目指されている場合は、ある程度のリクルート費用も見込んでおく必要があります。

公的機関のハローワークは一定の基準を満たした事業者は、無料で求人募集することができますので、チェックしておくといいでしょう。

飲食店のメンテナンス費

飲食店の出店に際しては初期投資を抑えるために、居抜きや中古の厨房機器での出店をよく目にしますが、補修を含むメンテナンス費用が意外と掛かっているケースが多いと感じます。

ある程度の厨房機器や設備の不具合は避けられないものですので、急な出費に備えるため一定額の補修費用を計画段階で見込んでおくべきです。

飲食店のその他諸経費

飲食店におけるその他の諸経費として漏れないように注意して頂きたいものには以下のようなものがあります。

  • ごみ処分費用、店舗や制服のクリーニング代、害虫駆除費用
  • おしぼり代
  • 借入金の返済利息
  • 電話・FAX、有線、インターネット等の通信費
  • 火災保険や地震保険、店舗賠償保険等
  • 事務用品、トイレットペーパー、洗剤等の消耗品の補充
  • 交通費、交際費その他の諸雑費

飲食店の経費まとめ

飲食店の場合、FLコスト+家賃で売上の70%ほどを占めるはずです。

10%の利益を残すことを目標とする場合、残り20%でFLコスト、家賃以外の経費を賄う事が必須となりますが、簡単な事ではありません。

しっかりと事前シミュレーションを立て、綿密な計画を練っておきましょう。

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