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店舗物件の賃貸借契約|ロードサイド物件の選定ポイントと注意点(飲食店開業者向け)

店舗物件の賃貸借契約|ロードサイド物件の選定ポイントと注意点(飲食店開業者向け)

この記事のざっくり概要

飲食店開業者向けに、都市郊外の主要幹線沿いに立地するものが多いロードサイド物件の賃貸借契約にまつわる専門用語や物件の選定ポイント、その注意点などを解説いたします。

目次|この記事に書いてあること

ロードサイド物件とは?

ロードサイド店舗とは、幹線道路など通行量の多い道路の沿線において、車・バイク・自転車でのアクセスが主たる集客方法である店舗のことです。特に都市郊外の主要幹線沿いに立地するものが多いです。

都市部などの店舗と比較して地価が安いため床面積を広く取ることができ、通常の店舗では販売されていない大型商品も取り揃えることができるなど、品揃えも充実した店舗が実現できます。このため、交通量の多い国道道路沿いなどには全国展開している店舗(フランチャイズ店舗など)が連なり集客力を高めています。

客層としては、郊外のショッピングセンターに近い生活道路沿いの店舗にはご家族連れの方々が、トラックなどの車が多い産業道路沿いの店舗には仕事中の方々が多い傾向にあります。そのどちらでも当てはまる道路沿いの立地では混合して来店する事が期待できます。理想の店舗を実現するには、どこの『ロード』サイドに出店するかが重要なカギを握っているともいえるでしょう。

ロードサイドの物件では敷地と建坪を分けて表記される事が多いです。建坪は実際の店舗の大きさと敷地面積は駐車場を何台確保出来るかの目安になります。

ロードサイド特有の商慣習「建設協力金」

ロードサイド店舗のほとんどで利用する事があるのが「建設協力金方式」です。

これは土地所有者が入居予定のテナントから、建築資金の一部または全部を無利息または、低金利で借り入れして建物を建築し、完成した後にテナントが建物を一括して借り上げます。リースバック方式とも呼ばれています。

契約時(建物を建築する前)に拠出され、建物が完成した後から返済が開始されるため、実際には工事代金の頭金、建設期間中の運転資金、抵当権の抹消費用等として広く利用されています。また、建物を建てるにあたって使用された金銭は、(テナントが貸主に差し入れた建設協力金)は建物完成後には、預託された保証金として扱われます。

この「保証金(建設協力金)」は一般に毎月の賃料と相殺する形でテナントに返済され、返済期間は5年~20年程度が一般的です。

建設協力金方式とは – 総合施設管理

画像参照:https://www.sougou-gfm.co.jp/encyclopedia/?p=1022

(※例:本来の賃料を90万円として、入居テナントは月々79万円のみを支払うことで、11万円の返済を月々受けている計算となる)

一般に、テナントが保証金(建設協力金)の返済を待たずして途中解約した場合、残存額の返済が免除される事が多いため、土地所有者にとっては少ないリスクで初期コストや金利負担を軽減し、少ない手元資金で賃貸事業を開始できる有効な土地活用・資金調達法と言えます。

デメリットとしては、テナントに撤退されると、後処理が面倒であったり、そのテナントの仕様にあわせた店舗だと転用が難しいといった面もあります。

ロードサイドに適した立地

ロードサイド店舗は特に広い店舗面積と駐車場を確保することが必要であることが特徴です。

ロードサイドを選ぶ場合に重要になるのは、下記2点がポイントです。

  • 店舗が位置する立地が利用見込み客層の生活圏内にあること。

  • 位置関係は、接する道路からみて駐車場の認知がされやすく、かつ駐車場へ進入しやすいこと。

立地について考える時に、ビルインのものと大きく違っている点は、店舗物件とそれに接している道路の関係が極めて密であるという点です。たとえば、道路がどのような用途で使われているのか、交通量はどれほどあるのか、何処と何処を結んでいるのか、沿道にどのような業種の店舗が並んでいるのか等々です。

ロードサイド店舗の立地の良し悪しは、ほぼ接している道路によって左右されると言っても過言ではありません。

上記の他にも、いくつかロードサイドへの出店において共通して確認しておきたいポイントがあるのでご紹介しましょう。

ロードサイド出店において確認しておきたい共通ポイント

視認性

建物が道路から見て奥に位置する場合には、視認性が悪い為、看板等で補う必要があります。

実際にお客さんの立場で車を運転しながらその物件を見てみると、道路からの建物の見え方により、適切な看板の設置場所などが割り出せるはずです。

交差点と物件の位置関係

交差点への進入直前、ドライバーは対向車や右左折車などに注意を払っているため、店舗への認識が遅れます。

その事から交差点の2~3件程、先か後が最も有利といわれています。

中央分離帯

中央分離帯がある道路に面している物件は、基本的に店舗の面する片側道路からしか入れません。

ですので中央分離帯のある道路沿いにある物件の場合、どちら側の道路により交通量があるのかは把握したいところです。

駐車可能台数

駐車台数は集客に直接関わってきます。

どんなに人気の店舗でも駐車台数が不足してしまったらお客様の取りこぼし(=機会損失)に繋がってしまいます。必要となる駐車場台数は、業種・業態により様々です。ピーク時の来店台数や、平均乗車人員、滞在時間、店舗面積等から必要となる駐車場台数を計算します。

あくまでも目安ですが、チェーン店がロードサイドで出店する場合、最低でも20台は駐車台数がないと、まず検討出来ないと言われています。

この様に、道路と店舗の位置関係や、駐車場は店舗選定にあたり非常に重要です。ぜひ、店舗を選定する際に備え、憶えておいてください。

ビルインとロードサイドはどちらが有利?

これは業態やターゲット層によって大きく異なる為、一概にどちらが有利とは言えません。

独立開業者にとっては、ロードサイド物件が居抜きである場合はともかく、通常であれば投資資金が少なくて済むビルイン物件の方が現実的でしょう。

いずれにせよ、どちらも検討してビルイン・ロードサイド両方のマーケティングを行ったとしても、必ず成功に繋がるヒントや共通項があるはずですので、それに費やした時間や工数が無駄になることは無いかと思います。

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